みなさまこんばんは。本日は外食したら何故かその店の店主に林檎をひとつ頂いた皿洗いです。……なんで店のレジ前で林檎を配っているのか!? 店主!!
ちなみにインド人らしき店主でした。インドと林檎になにひとつ関連性などないよ。
さて本日は「ダンジョン飯」3巻の話題であります。
表紙のクラーケン、怖いですね。でかいですね。巨大生物というのはもう、巨大だってだけで畏怖を集める存在だと思います。でかいことはいいことだと昔の人も言ったそうですが、確かに、大きいだけで十分なアドバンテージがありますね。魔物ならなおさら。
でも、これだけのでっかい体を持ったクラーケンが、このダンジョン内だけで十分な食料を確保出来ていたとはちょっと思えないのですが……。外洋から入ってきちゃったとか、そういうこともあり得るんですかね?? こいつ一匹(一頭?)のさばっているだけで、刃魚も人魚(魚類タイプ)も全滅しかねないと、そんな気がいたしますよ。はい。
ともあれ、3巻。冒頭からいつかの、宝虫にやられた冒険者一行が出てきて、死体回収屋に発見され麻痺を解いてもらっていました。麻痺は、放っておいてどうにかなるものじゃないんですねぇ。なんらかの技術で解いてもらわないと動けないので、彼らはほとんど死体と変わらない扱いであったろうと思われます。
現に、蘇生代を請求されてますしね。
ちなみにこの巻でライオスが、マルシルの回復に対して引き渡せる対価がないって言ってタンスのおじいさんに嫌味を言われていましたが、それはつまり同様の状況に陥ったとしたら払える金がないってことなんでしょうね。極貧!!(涙)
話を戻して、このコボルトを擁する一行、それなりに実力者と思われますが宝虫のことにはまったく気付いていないですね。そんなに存在がマイナーな魔物でもないのに、こんなに徹底して気付かないもんなのかなぁ、と思います。まぁ、宝石類だと思っていれば、なくなった=誰かに持っていかれたと思ってしまうもんでしょうけど。
本物の宝石も、ライオスたちが捨てちゃいましたしね(笑)。
そういう感じでちょっと抜けているところがあるので、攻守そろってしかも人数もしっかりいる、こんなバランスのいいパーティーなのですが、水辺でまたしても全滅!! 人魚(亜人タイプ)に惑わされたので、耳栓をして対処しましたが、この耳栓がアダとなって仲間の危機に気付かず数を減らされてアウト……と。
なんでだろうな、こんないいパーティーなのに(そう見える)、迷宮内ではこうも死にますかね。
こうしてみると、ちぐはぐで極貧で他人の大麦を拾って食べるようなライオスたちが、実力者ぞろいであるということがよく分かってきますね。やはり食料の充実は活力につながるのだろうか。……いや、運かな(笑)。
人魚(亜人タイプ)の歌に歌声を重ねて、実にじっとりとした表情で嫌がられるライオス(笑)。なんで合わせて歌ったんだよ……。人魚の歌を覚えて歌うことが、そんなに重要なのか!? そんなにも魔物が好きかね。もう、この主人公、こういうところがぜんぜん分からない(笑)。面白いのでいいのですが。
ここで、亜人タイプの人魚と魚類タイプの人魚との違いについて力説し、これは魚の仲間だがそれでも食べるのはダメなのか? とチルチャックに迫ったライオスでしたが、それでもやっぱり……うん、嫌だな。わたしも嫌だなと思いますよ。だって腕があって道具を使っている、知能ある生き物ですからねぇ。食べる気にはなれませんね。人間の傲慢と言われればそれまでですが、でもやっぱり感覚的に嫌なものは嫌だ!
でも結局、人魚(魚)の頭についてた水草に彼らの卵がくっついていて、そうと気付かず食べちゃって、「気分の問題」とは一体何なのかを悩むチルチャックなのでした(笑)。
ライオスは許されるのだとしたら、亜人タイプの人魚も食べてみたいと思うのでしょうか?? それに人間っぽい外見をした魔物も? なんなら人間(トールマン)以外の亜人や、他の種族も?
そこんところ、どうなのでしょうか。彼の中ではいったい何処が境界線なんでしょうね……。よく分からん上に不穏を秘めている主人公、ではありますが、まぁまぁ頼りにはなりますよ。
そして次の話では、クラーケン登場ーーー!!
大ゴマどころか1ページまるっと使っての登場シーンは、壮観でした。でかいのきたーーー! って感じで、ちょっとしたクライシス。魚タイプの人魚もまとめて捕食してますし、その直前に「中型の魔物が少ない」という台詞もあったので、やはり常駐していた訳ではなくて何処からかやってきた存在なんでしょうね。
で、水面でうろちょろしているライオスたちも狙ってやってきた、と。見境なく、このぐらいのサイズだったらだいたいエサだと思ってるんでしょうね。
これにはマルシルの魔法とセンシの機転とで対処し、見事、一撃で仕留めましたよ! センシの料理スキルが何処までも有効でむしろ怖いぐらいですわ。更には、仕留めたクラーケンを開いてみせて、軟骨の位置を教えてと、知識の伝授も忘れません! かっこいいぜセンシ。
イカやタコの美味しさを力説したマルシルが、ライオスに「今じゃ駄目なのか?(クラーケンを食べちゃ駄目なのか?)」と返されて一瞬で表情を変えるここのシーンは、かなり心に残りました(笑)。墓穴! と頭を抱えるマルシルかわいい。3巻でもマルシルかわいい。
で、結局、クラーケンの体についていた寄生虫を食べることになった、と。ウナギみたいな食べ方してましたが、これ、美味しくなかったらどうするつもりだったんだよ(笑)。
更に寄生虫の中の寄生虫にライオスが喰われ、胃の痛みを訴えて悶絶するという顛末に……。あああ、すごい展開だ……。ライオス本当に、なに仕出かすか分かりませんねぇ。制御不能主人公だ。
続いて、魔法を習う学校に行っていた頃、マルシルとファリンが一緒に木イチゴを食べた思い出が語られました。
みんなから少し離れた位置で杖を編んでいたマルシル。この杖は、今も持っているあの杖ですね。大ガエルに会った時に思わず名前を呼んでいた、アレ(笑)。少しずつ伸びていくのに合わせて編み上げて、杖にしているんですね。初めから一本の木を切り出している訳ではないのかー。
こういう細かい設定がさりげなく盛り込まれているところに、九井諒子先生の巧みさを見る思いであります。こういうところが面白いんだなぁ。
そしてダンジョニウムとも呼ぶ、精霊の飼育を習うのですが、ここで先生をよく見てみると、先生、隻眼ですね。本誌で読んでいた時には気付きませんでしたが。耳からしてエルフかな? と思うのですが、長寿の種族なので、こうまで老け込んでいる彼女はいったい何歳なのか。まったく予測が立ちません(笑)。
生徒をよく見てみると、エルフやそれ以外の種族も混じってますね。マルシルが魔術に長けているのはエルフだからか、と思っていましたが、人間以外の種族もこうしてごく普通に通っているこの学校でもひときわ注目されるほど優秀だったってことは、これ相当スゴイってことですよね。エルフである、というだけにとどまらず、マルシルはすごい人材だってことであります。
でもチルチャックには、ちょっと疑われてましたけどね(笑)。それは話盛ってるだろ、みたいな言われようで(笑)。
ファリンと出会ったことで、自然の営みの中にしっかり組み込まれているダンジョンの構造や生態系の複雑さ、生き物の神秘みたいなものに触れて、見聞が拡がったマルシル。自分は視野が狭く、勉強不足だったと気付かされるのでした。でもこういう機会に触れて、すぐ認識を改めることが出来るのは、ひとつの特技ですよね。素直さは大事であります。
ファリンの良さが惜しみなく語られた回でもあったと思いますよ。
ファリンめっちゃいい奴。
あとはウンディーネに遭遇してマルシルが瀕死になり、焼き肉への流れに。そこへやってきたタンスご一行様と、タンスに雇われて同行しているかつての仲間・ナマリ。
ナマリもいい奴っていうか、しっかりしてますね。武器の扱いに長けていて「ちゃんとした武器を使え」と口うるさく言い、センシにも斧の手入れをしろと忠告しますが、でもそういうことって大事ですよね。特にダンジョン内では、武器や防具こそが、命を守る代物。食料だけあってもこんな強敵だらけの迷宮では、武器・防具がないとすぐ死にますし。ええもう。
だから「きちんとした武器」を使うのは実に重要なことなのですね。
3巻まで来て初めて、忠告してくれる存在が出てきましたね……。ナマリは昔のパーティーの一員ですが、さっさといなくなっちゃったからなぁ。報酬なしで残ってくれたのはマルシルだけだった、ということが、ナマリを含めた会話でよく分かってしまったのでした(笑)。チルチャックを前払いにしておいて本当に良かったね、ライオス!!
タンスさんの種族「ノーム」については、あまり解説はありませんでした。頭身がかなり人間と違いますね。ノームは地の精とか、こびととか訳されるかと思いますが、そのまんまで体が小さいんですね。カカとキキの双子は人間のようですが、そういえばナマリはなんて種族なんでしょうね? 鍛冶全般に詳しいので、ドワーフなのかな? とは思いましたが、センシとはずいぶん特徴が異なりますし。
ハーフフットが店番してるようなところはやめろ、という台詞があったのでハーフフットでもないんでしょうし……。ふーむ。
ウンディーネを料理に使って、どうにかこうにかマルシルの魔力も回復! タンスさんたちと別れて、更に迷宮多くへ進み、テンタクルスを避ける為にカエルの皮を被ることに……。
まぁ、あんまり時間がないのでしょうがないことではあったのですが、ここでもっとカエルの皮を干していれば……と、悔やまれてなりませんね。服が血でくっついちゃって、脱げなくなっちゃいましたし! あ、でも、大ガエルの皮膚がテンタクルスの刺胞に強いのは、絶えず分泌しているカエルの表皮の保湿成分(カエルを触るとぬめってする、アレ)のお陰なのかもしれないので(結局、そこんとこのメカニズムは解明されないままでしたが)あんまり乾かし過ぎても駄目だったのかもしれませんね。
チルチャックの機転のお陰でここを素早く抜けられたので、まぁ、よしとすべきなんでしょう。うん。うん……。
最初に出てきた冒険者一行は、蘇生してもらったのかなぁ。
という訳で、地下5階の城下町に着いた一行。カエルスーツは脱げないままですが、目的のドラゴンはすぐそばの筈です! もう一息だ!! がんばれ!!
っていうかこの地下5階って、つまり水の下にあるってことですよね。初めからそういう仕様であったにしろ、なかったにしろ、こうも都合よく地下空洞が生まれるのは、やはり最初にこの迷宮を作った魔導士の意図したところなのでしょうか?? どんだけ大掛かりで精巧な迷宮を作っているんだか。
ドラゴンを倒したら地上へ戻るのでしょうかね。迷宮の魔道士を倒さないと物語は終わらない気もするのですが……。
てな感じの、「ダンジョン飯」3巻でした。4巻も楽しみです!
ではではー。